妊娠中は「赤ちゃんのために食生活を整えたい」と思いつつ、つい甘いものが食べたくなることもありますよね。
そんなときにおすすめしたいのが、やさしい甘さと栄養を兼ね備えた「プルーン」。おやつとして取り入れながら、栄養もサポートできる一石二鳥の食材です。
妊娠中に取り入れたい栄養素
妊娠中に多く摂取する必要がある鉄
妊娠中は妊娠していない時期よりも鉄分と葉酸をしっかり摂ることが大切です。
鉄はミネラルの一種で、不足するとヘモグロビンが減り、鉄欠乏性貧血につながる可能性があります。鉄は初期で+2.0mg、中期と後期では+7.0mgが目安です。(*1)
赤ちゃんの成長に大事な「葉酸」
葉酸は水溶性ビタミンのビタミンB群の一種で、神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に欠かせない栄養素です。(*2)受胎後およそ28日が神経管の形成には重要な時期になります。そのため、妊娠を希望する方や妊娠初期の方も意識して摂りたい栄養素です。
胎児の成長に葉酸が必要なため、不足しやすくなります。葉酸が不足することで葉酸欠乏性貧血を発症しやすくなるため、鉄と同様に不足には気をつけたい栄養素です。

むくみが気になるときは?
妊娠中はホルモンバランスの変化と体内の水分量が増えるため、むくみを感じやすくなります。特に妊娠後期は血液の量が増えて、だるさを感じる場合もあります。
そんなときは塩分とのバランスを意識して、カリウムを含む食材を選ぶのがおすすめです。カリウムは体内のナトリウムとバランスをとる働きがあり、細胞内液の浸透圧を調節するので意識して摂りたい栄養素のひとつです。(*3)
妊娠中にナッツやドライフルーツをお勧めする理由
鉄や葉酸を補える
妊娠中は必要量が増える鉄や葉酸を補うためにナッツやドライフルーツを上手に活用してみませんか?たとえばレーズンやいちじく、アーモンドやカシューナッツには鉄が含まれています。ドライマンゴーやくるみ、アーモンドは葉酸を含んでいます。(*4)なるべく砂糖や塩を加えていない無添加タイプを選びましょう。過剰な塩分やカロリーの摂りすぎを抑えることができます。ナッツがキャラメリゼされたものや、ドライフルーツにチョコレートされているものはカロリーが高くなりやすいので注意してください。
小腹満たしにもぴったり!
甘いものが食べたいときにケーキやチョコレートの代わりに食事だけでは摂りきれない栄養素おやつで上手に補うのもひとつの方法です。甘さがあるプルーンはヨーグルトやオートミールとの相性がよく、朝食や間食に“ちょい足し”しやすいのが魅力です。食後に甘いものが欲しいときにも、プルーンやデーツの濃厚な甘さが満足感をアップしてくれます。
気をつけたいのは摂りすぎ。プルーン1粒(10g)で23kcal、レーズン10粒(5g)で16kcalあります。(*5,6) つい食べ過ぎてしまうこともあるので、量には注意しましょう。

いつ取り入れる?アレンジもご紹介
何時に食べるのがよい?
ドライフルーツを食べる時間は基本的にいつでも大丈夫ですが、就寝前は避けるのがベター。ドライフルーツは果物の水分を飛ばしているため、少量でも糖質がぎゅっと凝縮されています。寝る直前に食べると消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけることも。就寝前を避けて日中のおやつや食後のデザートとして楽しむのがよいでしょう。
ドライフルーツの多くは食物繊維が含まれています。食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにするのに役立つ栄養素です。
おすすめのレシピ
そのままでもおいしく食べられるドライフルーツですが、アレンジで楽しみ方が広がります。簡単なアレンジレシピをご紹介します。
刻んだプルーンとナッツを混ぜて丸めるだけの簡単おやつ。食べごたえがあり、持ち運びも便利。砂糖不使用でもしっかり甘さを感じられ、小腹対策におすすめです。
・簡単コンポート
耐熱容器にプルーンと少量の水を入れて電子レンジで加熱するだけ。やわらかくジューシーになったプルーンは、トーストやホットケーキに添えても美味。冷蔵保存すれば数日楽しめます。
<参考文献>
*1:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2025年版)」,各論,ミネラル (微量ミネラル)
*2:厚生労働省「e-ヘルスネット」葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
*4:文部科学省「日本食品標準成分表2025年版(八訂)」
*5:種ぬきプルーン
*6:レーズン

