2024年5月2日

良質な睡眠に役立つ栄養は? ナッツでマグネシウム補給

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すこやかな毎日を過ごすために大切な睡眠。ぐっすり眠れることは仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。今回は睡眠におすすめの栄養とそれを補うナッツについて管理栄養士が解説します。

ぐっすり眠るための栄養習慣とは?

睡眠に役立つ栄養素

「寝ているのに疲れが取れない」、「眠りが浅い」など睡眠に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。睡眠は時間だけでなく、質も大事な要素です。睡眠の質をアップさせる栄養素はトリプトファン、マグネシウム、ビタミンB6です。

トリプトファンはアミノ酸の一種で、睡眠に関係するホルモン「メラトニン」の材料になります。(*1)トリプトファンは体内でセロトニンになり、夜になると睡眠を促すメラトニンへと変化します。質の良い睡眠にはメラトニンの原料となるトリプトファンを取り入れましょう。間食やおつまみにも取り入れやすいナッツ、黒大豆にはトリプトファンが含まれています。

 

▼ナッツや黒大豆100gに含まれるトリプトファンの含有量の比較(*2)

カシューナッツ(フライ/味付け):370mg

アーモンド(いり/無塩):220mg

くるみ(いり):210mg

黒大豆(いり):530mg

トリプトファンと一緒に摂りたい栄養素はビタミンB6。セロトニンを作り出すために必要なビタミンで、黒大豆、ピスタチオやくるみに多く含まれています。いろいろなナッツが含まれているミックスナッツを取り入れるのもよいですね。

安眠をサポートするマグネシウム。ナッツ100gでどれだけのマグネシウムが摂れる?

マグネシウムは筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温や血圧の調整に関係する栄養素です。(*3)メラトニンの生成にも関わっています。令和元年国民健康・栄養調査によるとマグネシウムの摂取量について、20歳以上男女の平均値は255mgです。(*4)推奨量は男性(30〜64歳)で370mg、女性(30〜64歳)で290mgなので、不足していることがわかります。(*5)

マグネシウムは大豆製品やナッツに多く含まれる栄養素です。ナッツの中でトップクラスに多いのはアーモンドとカシューナッツです。黒大豆にも多く含まれています。

 

▼ナッツや黒大豆100gに含まれるマグネシウムの含有量の比較(*2)

アーモンド(乾) :290mg

カシューナッツ(フライ/味付け)  :240mg

黒大豆(いり) :220mg

くるみ(いり) :150mg

ピスタチオ(いり/味付け) :120mg

マカダミアナッツ(いり/味付け) :94mg

 

20歳以上女性のマグネシウム摂取量の平均値は242mg、30〜64歳女性の推奨量は290mgであることから、約50mgが不足しています。(*4,5)アーモンド2粒で不足している約50mgのマグネシウムが補給できます。(*2)2粒であればそのまま間食に食べても、料理のトッピングに使うなど取り入れることができますね。

食べるタイミングと睡眠に役立つ食材

良質な睡眠には栄養素を取り入れるタイミングも意識してみましょう。大豆製品やナッツ以外にトリプトファンを多く含むのは卵、魚類、チーズや牛乳など乳製品、きなこや油揚げ、豆腐などの大豆加工品。たんぱく質源となる食材に多く含まれています。冷奴にナッツをトッピング、焼いた魚にナッツのソースをかけるなど、トッピングにナッツをプラスしてみてはいかがでしょうか。

<参考文献>

*1:厚生労働省, e-ヘルスネット, メラトニン

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html

*2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

*3:厚生労働省, e-ヘルスネット, マグネシウム

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-034.html

*4:厚生労働省, 令和元年国民健康・栄養調査

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html

*5:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」各論

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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