2026年10月26日

1日1つかみのナッツで変わる? 食習慣と脳の健康の関係

年齢とともに気になる脳の衰え。毎日の食生活で手軽にできるケアのひとつが「ナッツ習慣」です。実はナッツには、脳の健康を支える栄養がぎっしり詰まっているのです。研究結果も交えながら、ナッツ習慣が脳の健康にどう影響するのかを解説します。

ナッツに含まれる脳にうれしい栄養素とは

オメガ3脂肪酸とビタミンEがカギ

ナッツのうち、特にくるみにはオメガ3脂肪酸が多く含まれています。マグロやサンマ、サバなどの青魚に多く含まれるDHAやEPAと同じ「オメガ3系脂肪酸」の仲間です。オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。(*1)ナッツのうち、くるみに多く含まれているのは、「α-リノレン酸」と呼ばれるオメガ3脂肪酸です。体内で一部がEPAやDHAに変換されます。

オメガ3脂肪酸は、脳の構造や神経伝達に関わる、体にとって重要な脂質です。特にDHAは脳に多く存在し、α-リノレン酸はその前駆体として食事からの摂取が推奨されています。そのため、くるみは「ブレインフード(脳によいとされる食品)」と呼ばれることもあります。

抗酸化作用がうれしいビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用をもつ脂溶性ビタミンのひとつです。アーモンドやくるみなどのナッツにビタミンEは含まれています。ストレスや紫外線により発生しやすくなる活性酸素は、脳にも影響を及ぼすと考えられています。ビタミンEはその酸化ダメージから守る働きがあるため、脳を含む全身の細胞を酸化ストレスから保護し、健康維持に役立つビタミンです。

マグネシウムや葉酸も見逃せない

マグネシウムは筋肉の収縮や神経伝達、脳の興奮を調整する働きがあります。葉酸は神経細胞の形成や修復に関与するとされています。(*2)発育期はもちろん、大人にとっても脳の健康を支える成分として大切なミネラルです。どちらも脳の正常な働きを支える重要な栄養素であり、不足しないよう意識して摂りたい栄養素です。

研究でも注目される「ナッツと脳」の関係

ナッツを食べる人は認知機能が高い?

ナッツは美味しいだけでなく、脳の健康にもやさしく寄り添ってくれる栄養が含まれていることをご存知でしょうか?研究では、無塩のナッツを1日ひとつかみ(約30g)を継続的に食べている人はナッツを食べない人に比べて認知機能との関連が示唆されています。 (*3)

ポイントは無塩のナッツを選ぶことです。有塩ナッツの場合は、同様の結果は確認されていません。

ナッツ習慣が健康づくりをサポート

ナッツは栄養豊富な食品として知られていますが、最近の研究では「脳の健康との関係」に注目が集まっています。ビタミンEやマグネシウム、オメガ3脂肪酸など、ナッツに含まれる栄養素は、脳の働きを支える上で大切な役割を持つとされています。

ナッツだけに頼るのではなく、バランスの良い食生活の中でコツコツと続けていくことが大切です。毎日のナッツ習慣で健康習慣をはじめませんか?

どのナッツがいい?おすすめの食べ方と量

種類別の特徴と選び方

オメガ3脂肪酸はくるみに多く含まれています。1日に必要なオメガ3脂肪酸は18〜49歳の女性の場合は1.7g、50~64歳で1.9g、65歳以上で2.0gです。年代が上がると必要な量は増えますが、食が細くなる傾向があるため食材や食べ方で工夫してみましょう。

くるみ30gにオメガ3脂肪酸が2.4g含まれているので、1日の目安量を満たすほどのオメガ3脂肪酸が含まれています。

抗酸化作用のあるビタミンEはアーモンド、マグネシウムはカシューナッツに含まれています。

 1日にどのくらいが良い?選び方のポイント

ナッツはどのくらい摂取してもよいのでしょうか?目安はひとつかみで1日25〜30g程度が目安です。

一度にたくさん食べることは食事のバランスが崩れる原因となります。塩分や油を加えていない「素焼き」タイプがおすすめ。間食として取り入れたり、朝食のサラダやトーストに刻んでのせたりするのもおすすめです。

 

<参考文献>

*1: 厚生労働省,不飽和脂肪酸

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-031

*2:厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」マグネシウム

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-034

*3:Bizzozero-Peroni B, et al. Geroscience. 2024 Sep 30. doi: 10.1007/s11357-024-01365-z. Online ahead of print.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39343863/

*4:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2025年版)」,各論, 脂質

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316463.pdf

*5:素焼きクルミ

http://kyoritsu-foods.co.jp/product/200/

 

 

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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