2025年10月10日

おいしく栄養チャージ!自然の甘さが魅力のデーツ。

デーツは砂漠の過酷な条件でも生育するほどの生命力が強いことから「生命の樹」とも呼ばれています。ミネラルや食物繊維が豊富で、甘さと栄養を兼ね備えた注目食材。おやつや間食に、罪悪感のない栄養チャージをしてみませんか?

デーツとは?どこでとれる?どんな食べ物

砂漠生まれの天然のドライフルーツ

デーツは中東・北アフリカ原産のナツメヤシの果実です。気温が高く、乾燥した気候の中でも少ない水で育つたくましさから「生命の樹」と呼ばれています。古代エジプトの女王クレオパトラも日頃から食べていたと伝えられています。イスラム教徒のラマダンの断食明けにまず口にするのがデーツといわれるほど、中東諸国では生活に根付いたドライフルーツです。

デーツは木に実ったままの状態で、たっぷりと太陽の光を浴びてドライフルーツになります。デーツは砂糖を加えなくても濃厚な甘みが楽しめる天然のドライフルーツです。

保存のコツ

直射日光の当たらない涼しいところで保存してください。開封したものはチャック付き袋で空気を抜き、密閉して保管しましょう。長期保存したい場合は冷凍がおすすめ。食べるときは自然解凍をしてください。

デーツの表面に出る白い粉は糖の結晶(シュガーブルーム)で、カビではありません。糖の結晶は軽く温める、または室温に戻すと目立たなくなることもあります。

スーパーフードと呼ばれるほどの栄養

豊富な食物繊維

デーツ100gあたり食物繊維が9.0g含まれています。(*1)食物繊維が多いイメージのあるさつまいもは100gあたりの食物繊維が2.2gです。(*2)100gあたりで比較するとデーツにはさつまいもの4倍以上の食物繊維が含まれています。食物繊維は便通を促すだけでなく、血中コレステロールを下げる働きもあります。(*3)

デーツに含まれる食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の両方が含まれています。食物繊維は多くの日本人が不足気味の成分です。デーツは不足しがちな食物繊維を効率的に摂ることができる食材です

 

体内の塩分バランスを調整するカリウム

カリウムは体内の水分バランスに関わるミネラル。(*4)塩分の多い食事が気になるときや、汗をかく季節のミネラル補給に役立ちます。デーツは自然の甘さとともにカリウムを摂れるのが魅力です。ナッツやヨーグルト、野菜と組み合わせると、他の栄養素も一緒に摂ることができます。

食品からカリウムを摂取する場合は過剰になるリスクは低いため上限量は設定されていませんが、腎機能に不安がある方は摂取量に留意してください。

 

筋肉の働きやエネルギーに関わるマグネシウム

マグネシウムは骨の形成にも影響しているため、成長期のお子さんや骨粗鬆症になりやすい女性もカルシウムと合わせて不足のないように摂りたい栄養素です。マグネシウムは筋肉の働きにも関わっているため、不足すると筋肉のけいれんを引き起こしやすくなります。(*5)

デーツ100gにはマグネシウムが60mg含まれています。レーズン100gに含まれているマグネシウムは31mgなので、約2倍の量が含まれています。(*2)

 

食べ方のアレンジの紹介

簡単アレンジ

デーツはそのままでもコクのある甘さでおいしくいただけますが、アレンジするとパーティーやおもてなしにも使える1品に仕上がります。

・クリームチーズやくるみをはさむ

デーツに包丁で切り込みを入れて種を除き、クリームチーズやくるみをはさみます。クリームチーズのコクやくるみのサクッとした食感がデーツの濃厚な甘さとよく合います。

デザートにもお酒のおつまみにも大活躍の1品です。

・刻んでトッピング

デーツを刻んでヨーグルトやグラノーラにトッピングすると食感と味のアクセントになります。サラダに刻んだデーツをのせたり、白和えに入れたりと、料理にも使いやすいのがデーツの魅力です。

 

甘みを活かして砂糖の代わりに

デーツには黒糖のようなコクのある甘さがあるため、砂糖の代わりにも使うことができます。あんこを作るときに砂糖の代わりに刻んだデーツを入れて炊くとデーツあんこに。お湯や牛乳でデーツを浸してフードプロセッサーでペーストにしたデーツペーストでマフィンやパウンドケーキを作ると砂糖を使わなくてもデーツの甘みでおいしいケーキができます。デーツのアレンジはいろいろな楽しみ方ができるので、気に入った使い方を探してみてくださいね。

 

<参考文献>

*1:種抜きデーツ チャック付

*2:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」

*3:食物繊維の必要性と健康

*4:カリウム

*5:マグネシウム

 

コラム執筆:中村りえ先生

中村りえ先生

中村りえ先生

管理栄養士。大手食品メーカーにて商品開発、健康セミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、セミナー講師、メディア出演など幅広く活躍中。 家族の小麦アレルギーをきっかけに米粉に出会い、米粉のおいしさに魅了される。また、日本人の「米離れ」の深刻さについて学んだことから、米粉料理の良さを伝え、日本の米文化を守りたいと考え、米粉料理家として活動を行う。著書『米粉のおやつとおかず』(宝島社)キッズ食育Jr.トレーナーの資格を保有。

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