2025年1月8日

新年のお祝いの「ガレット・デ・ロワ」とは

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こんにちは。花田えりこです。

クリスマスを過ぎると、日本でも、ケーキ屋さんやパン屋さんで見かけるようになった、”ガレット・デ・ロワ”。

豪華な見た目から、高級菓子のように感じられます。模様も凝っていて、手作りするなんてハードルが高い⁉️

そんな事はありません。冷凍パイシートで作ると、家でも、初めての方でも、アップルパイを焼く感覚で手軽に出来るんですよ。

ガレット・デ・ロワとは

フランス語で、”王様のお菓子”という意味。
新年を祝う伝統菓子で、アーモンドクリームを挟んで焼いたパイ菓子です。
1月6日の、キリスト教の”公現祭”に、皆でその年の幸せを祈りながら、お祝いしていただきます。

お菓子の中に、一つだけサプライズを入れておき(フェーブと呼ばれるもの)、運良く当たった人は、その日、王様や王女様として冠をかぶり、この1年は幸せだとされるセレモニーです。
最近では誤飲防止のためもあり、アーモンドが使われる事が多くなっています。

由来

先程、聞き慣れない言葉が出てきたと思います。そう、”公現祭”とは?

教会に行くと、”御公現”と言うのですが、
“キリストが生まれた”という知らせを聞いた3人の博士達が、星を頼りに遠く東方からはるばるやってきて、キリストに謁見し誕生を祝った、と、新約聖書に書かれています。
その3人は、「メルキオール」、「バルタザール」、「ガスパール」という名の博士で、黄金、乳香、没薬の贈り物をしました。

キリストの誕生が、公に人々に知らされたと言う事で、その日が”主の御公現”と呼ばれ、”公現祭”としてフランスでは、新年の初めに、皆で祝っています。

模様の意味

ガレット・デ・ロワといえば、美しい模様が印象的です。
仕上げの工程として、パイシートを被せた後に卵黄を塗り、ナイフで模様をつけていきます。

光や太陽、月桂樹やオリーブ、麦の穂、ひまわりなどがモチーフとなっています。
そこには、生命力や希望、実り、豊作、栄光など、人々の祈りや願いが込められて描かれます。

現在では、それぞれのお店のデザインや、作る人の気持ちや個性が表現されて、芸術的かつ独創的な仕上がりも目にするようになっています。

作り方

ざっくり言うと、

・カスタードクリームとアーモンドクリーム(クレームダマンド)を作り、2つを混ぜてパイシートに絞り出す。

・もう一枚のパイシートを被せて、模様をつけて焼く。

これだけです。
混ぜたり、模様をつけるなどの手間暇も多少はあるものの、思ったよりも工程が少ないので、ぜひ試していただけたらと思います。

アップルパイのようにリンゴのプリザーブを中に入れたり、ドライフルーツ入りなども、美味しくいただけます。

また、大きなガレット・デ・ロワを作るのは大変そう!という方は、プチタルトを使って、手のひらサイズの簡単なものから初めてみては!
焼き時間も短くてすみます。

ミニサイズのガレット・デ・ロワを手作りしたら、ミニ王冠も工作のように、作ってみてはいかがでしょうか。
画用紙、金色の折り紙、リボン、ビーズやスパンコールなどで、指輪のような可愛いサイズの王冠が出来ますよ。

公現祭のガレット・デ・ロワ
冷凍パイシートを使ったレシピを参考に
ぜひ作ってみてください。

レシピはこちら

コラム執筆:花田えりこ先生

花田えりこ先生

花田えりこ先生

「メロンパンdeコッタ」「本日開店ミニパンやさん」など翻訳本を含め著書多数。食品衛生責任者。パンやスイーツからクラフトに至るまで、幅広く手作りの楽しさを子供たちに伝えています。また、テレビ・雑誌・SNSなどの各メディアでも、作品のプロデュースやレシピを提供。2018年には、メロンパンdeコッタ協会を設立。仲間の講師とともにメロンパンdeコッタレッスンを開催し、講座の収益の1部をチャリティーに役立てていらっしゃいます。

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